「肺癌検診はあなたを肺癌から守ります」
肺癌検診をぜひお受け下さい。
埼玉県医師会がん集団検診医会 肺がん集検部会長 尾形 利郎
【質問1】「肺癌にならない方法はありますか?」
【回答】
A. 残念ながら 100%肺癌にならない方法はありません。
B. しかし、 肺癌になる機会を減らしたり肺癌で死亡するのを減 らす方法はあります。
A. なぜ 100%肺癌にならない方法はないのでしょうか。それについて考えて見ましょう(図1)。
人のからだは何十億という細胞からできています。そのうち一部の細胞(脳や神経の細胞)を除いては大部分の細胞がどんどん新しい細胞にバトンタッチしながら生命を維持していきます。例えば今日皆さんの身体の中を流れている赤血球は 1ヶ月余後には全部新しい赤血球に入れ替わっています。
ですから、生きていく為にはどんどん新しい細胞が作られなければなりません。何十億という細胞が作り替えられながら生命を維持していくわけですから、長い間には出来損ないの細胞も出来る事があります。このような細胞を突然変異細胞といって、遺伝子が元の細胞と少し変化しています。
出来損ないの細胞は、出来損ないですから長く生きられなくて、その大部分はすぐに死んでしまいます。しかし長い間の中には生き残る細胞もあります。この生き残った細胞が刺激を受けて、細胞を包んでいる膜や細胞質といわれる細胞の栄養素になるところに変化が起きますと癌細胞になります。
癌細胞が生きていく為には正常の細胞より多くの酸素とエネルギーを必要とします。よって、癌細胞は出来損ないの細胞(突然変異細胞)よりもっと生き残る事が少なく、殆ど死んでします。
ですが、中にはしぶとく生き残る癌細胞が極稀にはあります。生き残った癌細胞は、生きていく為に自分で酸素や栄養の補給ルートである血管などを作る物質(酸素など)を分泌して自分勝手に増えていきます。このような状態になった時に癌という病気になったという事になります。
人間は生きている限り呼吸を長時間止めるわけにはいきません。ですから呼吸にかかわっている気管・気管支・肺などの細胞は空気中にある埃やばい菌などの刺激をいつも受けているわけですし、大気汚染や喫煙はその刺激を更に増加させます。そうしますと、気道を作っている細胞はどんどん新しい細胞に入れ替わらなければなりません。
新しい細胞に入れ替わるスピードが早くなると出来損ないの細胞が出来るチャンスが増えますし、出来損ないの細胞が更に刺激を受けて癌細胞になるチャンスも増えるわけです。
人間は生きている限り呼吸を止めるわけにはいきませんので、新しい細胞の補給を止めるわけにはいきません。ですから年を重ねれば重ねるほど気道の刺激を受けることが多いので、肺癌になる可能性は高くなるわけです。ですから長生きすればするほど 100%肺癌にならない方法はないという事になります。
B. それでは長生きしても肺癌にならないようにする為にはどうしたらいいのでしょうか。それは、出来るだけ出来損ないの細胞が出来ないようにする事と、出来損ないの細胞(突然変異細胞)が癌細胞にならないようにする食生活や生活環境で生活するように心掛ける事です。
〔表1〕は国立がんセンターがそのような趣旨で作った「がん防止のための 12ヶ条」です。なかなかこの通りの生活はできないかもしれませんが、少しでもそれに近い生活をすることは癌になる可能性を減らすのは事実ですし、肺がんの場合も例外ではありません。
その中でも特に、 喫煙と肺癌の因果関係 は図 1〜図3のとおり証明さています。タバコの煙の中に含まれている発癌物質(約200種類以上証明されています。)と加齢による発癌要因が相加されますと長年喫煙している喫煙者の肺癌発生率は上昇しています。(図2)
特に20才以前から喫煙している人の危険性は大きい傾向がありますし、1日喫煙量が多いほどその危険は増加します。(図3)
禁煙に成功しますと、特に5年以上禁煙していますと肺癌死亡率は著しく低下し1日19本以下の喫煙者が禁煙した場合は非喫煙者と同程度の肺癌死亡率になり肺癌で死亡する可能性は減少します。(図4)
|質問1|質問2|質問3|
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